特集 呆け老人・介護家族とともに10年—「呆け老人をかかえる家族の会」の歩みに学ぶ
「家族の会」に理解を
高見 国生
1
1「呆け老人をかかえる家族の会」
pp.764-768
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900185
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“燎原の火の如く”
「呆け老人をかかえる家族の会」は,今年1月で結成10周年を迎えました.
10年前,1980年1月20日,「家族の会」結成総会の日,私は,役員代表であるにもかかわらず,定刻に遅れました.当時,私はまだ現役の家族で,失禁と,何でも食べる,食べた後から「ご飯まだか」と言う81歳の母と格闘中で,その日も朝から失禁の始末に追われ,予定通り家を出られなかったのです.私が家を出ると,後は妻が満1歳の誕生日を迎えたばかりの長女とぼけた母の両方を1人でみなければならないので,できるだけやれることはやっておかないと,後が大変なのです.
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