Japanese
English
特集 通所リハ再考
暮らしにつながる通所リハビリテーションにおける支援の取り組み―認知症に対する支援を通じて
Effects of outpatient rehabilitation in people with dementia: Improving their quality of lives through the support of occupational therapists
谷川 良博
1
1広島都市学園大学
pp.221-225
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100060
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:通所リハの認知症利用者への支援とは?
Q2:通所リハからの訪問の視点とは?
Q3:家族支援の視点として大切な事柄とは?
はじめに
ちょっと昔だが,筆者は大学教授がトリックを見抜く推理ドラマを毎週欠かさずみていた.ドラマの途中には,解決のヒントがちらりと出てくる.筆者はそれを見逃さないために,テレビの前から離れられなかった.後半は,教授が実験によって謎を解き明かす.筆者はその解説を聞いて,ドラマのつくり込みのよさに毎回感心させられていた.
筆者が,なぜ推理ドラマの話を持ち出したのか.それは,われわれOTは認知症の利用者との関わりの中で,その人が抱える生活上の課題を「あれかな」,「これかな」と試し,小さなヒントを得ながら,少しずつ焦点を絞っていくからである.相手のできないことを数えるよりも,工夫すればできる点を考え多方面から援助をする.時には,相手の気づいていない心根にふれることもある.これは,先に紹介したドラマで大学教授がみせる焦点化の過程に似ている.本稿では,通所リハを利用する認知症の人々を支えるために,OTの観察力や行動力が有効であった事例を紹介し,課題を述べていく.
Copyright © 2013, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.