協会長対談
吉村紳一氏に聞く 脳神経外科治療と医療連携の可能性—地域・職種間の連携(後編)
吉村 紳一
1
,
中村 春基
2,3
1兵庫医科大学脳神経外科学講座
2日本作業療法士協会
3兵庫県立リハビリテーション中央病院
pp.376-381
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200202
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中村 ここまで,脳梗塞に対するt-PA静注治療,吉村先生のご専門である血管内治療について,またその治療を可能とするための地域連携システムの構築や,さらには予防医療,救急医療,慢性期医療をつなぎ,医局の垣根も越えた診療体制づくり等についてのお話をうかがってきました.壮大な計画ですね.
吉村 そうなんです.まだ始まったばかりですが,状況は待ったなしです.血管内治療ができる医師に限りがある状況ですから,一部の施設のみが患者さんを受け入れることになります.治療を行う医師やスタッフは,1晩徹夜ができたとしても,2晩はどうでしょうか? さすがに3日連続は無理ですよね.だったら,みんなで手をつないだほうがいい.ただ,遠方の場合には連携しようがない.そのような場合にはぜひ勉強に来てくださいと言っています.私たちは喜んで血管内治療の技術をお教えします,と.そんな経緯から現在,青森から熊本まで,日本全国からこの技術を身につけるために当院に国内留学してくれています.3月からはインドネシアやエジプトからも留学希望があります.私は青森の方が倒れても救えないし,インドネシアの患者さんも救えませんからね(笑).私たちはライバルではなく,仲間です.
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