増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第3章 支援技術Ⅱ 急性期から回復期の個別性を重視した介入(事例報告)
5 家屋訪問と住宅改修
矢野 浩二
1
,
田川 勇蔵
1
,
牛島 寛文
1
Koji Yano
1
,
Yuzo Tagawa
1
,
Hirohumi Ushijima
1
1医療法人共和会小倉リハビリテーション病院 臨床サービス部
pp.703-707
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100563
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はじめに
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目途に,地域包括ケアシステムの構築が推し進められている.地域包括ケア研究会の報告書には,「地域包括ケアシステムでは,生活の基盤として必要な住まいが整備され,そのなかで高齢者本人の希望にかなった住まい方が確保されていることが前提になる.ここでいう住まいは,高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守られた住環境を意味しており,これが在宅生活を継続する上での土台となる」1)と地域包括ケアシステムの構成要素の一つである「住まい」について,「住まいと住まい方」として整理されている.
日常生活の基盤を築く場である住まいにおいて,われわれ回復期に従事するOTは,脳血管疾患等により障害を抱えた方に対し,もう一度住み慣れた所で安全にいきいきとした生活を送るための一助として,入院中に家屋訪問し,生活環境等を確認したうえで,必要に応じ住宅改修や福祉用具導入の提言等を行っている.
本稿では,家屋訪問の必要性やその留意点,住宅改修について,小倉リハビリテーション病院(以下,当院)での取り組みを交えながら述べてみたい.
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