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特集Ⅰ 作業療法と脳科学Part 2―②精神障害領域
認知症の精神症状と脳科学
Psychological symptoms of dementia and brain science
樫林 哲雄
1
,
横山 和正
1
,
柿木 達也
1
Tetsuo Kashibayashi
1
,
Kazumasa Yokoyama
1
,
Tatsuya Kakigi
1
1兵庫県立リハビリテーション西播磨病院 兵庫県西播磨認知症疾患医療センター
pp.868-874
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100211
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Key Questions
Q1:幻視とは何か?
Q2:物盗られ妄想はなぜ起きるか?
Q3:アパシーとはどのような症状か?
はじめに
認知症でみられる精神症状・行動障害は,現在ではbehavioral and psychological symptoms of dementia(BPSD)と呼ばれ,「認知症に伴う行動障害と精神症状」と訳される.それは認知症をもつ人に頻繁にみられる知覚,思考内容,気分,そして行動等の障害に関する症状として定義されている.BPSDの行動障害としては,①攻撃性・暴力,②泣き叫び,③落ち着きのなさ,④焦燥,⑤徘徊,⑥不適切な行為,⑦性的逸脱行動,⑧取り込み,⑨ののしり,⑩後追いがあり,またBPSDの精神症状としては,①妄想,②幻覚,③誤認,④抑うつ,⑤アパシー,⑥不安の6つが挙げられる(表)1).以下に精神症状の中で頻度の多い症状として幻覚,妄想と作話,抑うつの特徴と抑うつ症状の鑑別で問題となることが多いアパシーについて解説する.
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