特集 OTの臨床実践に役立つ理論と技術―概念から各種応用まで
第3章:筋・骨格系に関するもの
3.マイオセラピー
辻井 洋一郎
1
1日本マイオセラピー協会
pp.689-694
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100178
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はじめに
筆者の開発したマイオセラピーは筋の治療という意味であり,その対象疾患は末梢神経障害,特に神経根障害である.この神経障害は,たとえば,症候として長時間の座位による足のしびれや痛み等の一過性で軽度のものから,変性を起こし慢性化したものまでの全般的な神経障害のことをいう.これらの神経障害は酸欠によるものであり,その酸欠状態を持続させ,症候を起こしている血流不全の主な原因は,筋とその付属組織(腱や靱帯等)の硬化・短縮である.よって,その筋および付属組織の弛緩・伸長が獲得できれば,血流が回復し,神経根障害の改善が期待できる.つまり,筋を緩めることで,神経への血流を改善しようとする治療法,特に深部組織への治療法がマイオセラピーなのである.
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