基本手技シリーズ・15
バルーン・ダイセクターによる術野の展開
山根 哲郎
1
1松下記念病院外科
pp.249-251
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900135
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はじめに
腹腔鏡下手術は,近年その適応が胆嚢摘出術などの腹腔内臓器の手術のみならず,胸腔内,縦隔内,後腹膜腔,さらには皮下の手術にまでその応用範囲はとどまるところがないようである.体腔内の内視鏡下手術においては,体腔内に内視鏡を挿入する経路をトロッカーで作ってしまえば,あとは体腔内の臓器を圧排することにより,手術視野を確保すればよい.腹腔内の手術では炭酸ガス気腹によって一定の空間を確保する方法が用いられる.しかし,縦隔内や後腹膜腔の手術においては,手術視野の確保のための手術空間を作る必要がある.この手術空間を作成する方法として,バルーン・ダイセクターによる剥離法がある.本法は多くの利点を有し,この使用法に習熟することは,腹腔鏡下手術の応用や適応範囲を広げるうえで必要不可欠な手技である.
今回,このバルーン・ダイセクターの使用による術野の展開について述べるとともに,今後の適応の拡大とその応用について述べる.
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