手術テクニック
内視鏡下における大腿動脈—膝窩動脈バイパス手術
許 俊鋭
1
,
荻原 正規
1
,
北條 浩
1
1埼玉医科大学第1外科
pp.244-248
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900134
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はじめに
心臓血管外科領域における内視鏡下手術の導入は,腹部外科,胸部外科手術領域に比較してかなり遅れている.内視鏡手技は,冠動脈バイパス手術における内胸動脈グラフト採取や大伏在静脈グラフト(SVG)採取1,2),あるいは末梢血管外科における下肢静脈瘤の穿通枝の結紮3,4)や腹部大動脈—大腿動脈バイパス手術5)などに臨床応用されてきたが,先鋭的なグループが手術手技の確立に精力的に取り組んでいるのが現状である.
末梢血管手術においては,下肢静脈に対する穿通枝の結紮は,ヨーロッパを中心に一定の普及をみているものの,動脈系の内視鏡下手術はまったく一般化していない.ASO(atherosclerosis ob-literans)に対する腹部大動脈—大腿動脈バイパス(aorto-femoro bypass),大腿動脈—膝窩動脈バイパス(femoro-popliteal bypass:F-P bypass)に内視鏡手技を用いた手術症例も報告されているが,本邦での報告はきわめて少ない.
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