基本手技シリーズ・2
トロッカーの扱い方
下村 一之
1
,
山田 博文
1
,
出月 康夫
1
1埼玉医科大学総合医療センター外科
pp.153-154
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4425900192
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トロッカーは腹腔鏡下手術の最初の段階で用いられる器具であり,その挿入手技は腹腔鏡下手術に不可欠のものである.最初のトロッカーの挿入は,(1)気腹針を先に腹腔内に刺入し,気腹完成後に1本目を挿入する方法と,(2)「open法(Hasson法)」にて腹壁(多くは臍部)に小切開をおき,腹腔内に達したことを直視下に確認の上,鈍針のトロッカーを挿入する方法の2つがある.(1)の気腹針による方法は,手技が簡便で短時間にトロッカーの刺入が行えるが,一方で盲目的操作であるところから,腹腔内臓器や血管を損傷する危険性を回避できない.また,時に重大な合併症(大出血,空気塞栓,腹膜炎など)も報告されている.したがって現在では,(2)のopen法が一般的に用いられる.
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