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エンドステッチ,バーサポート
万代 恭嗣
1
1社会保険中央総合病院外科
pp.258
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4425900036
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1.エンドステッチ
内視鏡下に施行する縫合・結紮は開腹手術で行うのと比較し,はるかに困難といわざるをえません.エンドステッチ(オートスーチャー社製)は,この内視鏡下手術手技のなかで最も困難といわれる縫合・結紮を新しいアイディアと工夫により迅速にかつ容易にする自動縫合結紮器具です.外見は持針器のようですが,その仕組みは鉗子のアゴの先端に糸付きの両端針が固定されています.手元のレバーを操作することによりアゴの針が固定されている側からもう一方のアゴへ移動するというものです.このことによりアゴの間に挟鉗された組織に縫合針が刺入され,この操作を繰り返すことにより連続縫合や外科結びなどの結紮も施行することができます.この器具の利点として術者のストレスの軽減,手術時間の短縮,内視鏡下手術の適応拡大が考えられます.
【ユーザー側から】本器具を使用しての結紮は針の受け渡しで行うため,従来の用手的結紮やinstrumentalな結紮とも異なり,結紮操作に慣れるには何回か練習を積む必要がある.また,細くなったとはいえ縫合針の径はまだ太く,胆管縫合などを想定した場合はさらに繊細な縫合針への改良が望まれる.しかし,一度習熟してしまえば便利な器具となることは間違いない.
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