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エンドパスオプティビュー
万代 恭嗣
1
1東京大学医学部第2外科
pp.50
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4425900010
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内視鏡下手術を気腹下に行う場合,第一穿刺には,気腹針を使用したクローズド法とブラントチップトロッカーを用いたオープン法がある.これらの2つの方法には,それぞれ長所,短所がある(表).クローズド法ではブラインドの穿刺となるため,トロッカーには,安全性向上を目指し,さまざまな工夫がされてきている.代表的なものには,セーフティシールドがある.しかし,それでもブラインドの操作であることに変わりはなく,またブレードが露出して進む腹(胸)壁には損傷が加わっていることになる.
そこで,第三のアプローチ法として,オプティカル法が開発された.これは,新しいオプティビューというトロッカーを使用して行うもので,トロッカー内筒に直視の硬性鏡を挿入し,鏡視下に刺入の状態を確認することができる(図).このオプティビューは,腹(胸)壁の組織(とくに血管)を事前に確認できるため,損傷しないように避けることができるばかりか,金属製のブレードを使用していないので,損傷の可能性は最小限ですむ.また,トロッカーが腹(胸)壁の組織を切るのではなく,各組織の線維の走行に沿って分けて入る.その結果,術中のトロッカーの安定性が良く,術後の傷の治癒も良いと考えられる.
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