特集2 ERスタンダード 敗血症—GLやエビデンスをふまえた実臨床でのアクションとは
【Part 2】各論
【コラム1】抗菌薬の選択:初療医としてのセオリー—とり(あえず)メロ(ぺネム)を越える!
山田 万里央
1
,
齋藤 浩輝
2
Mario YAMADA
1
,
Hiroki SAITO
2
1聖マリアンナ医科大学病院 救命救急センター
2聖マリアンナ医科大学 救急医学
pp.564-571
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200133
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救急外来での抗菌薬投与に迷っている時間はない。目の前の患者は重症であるし,診断や治療方針の決定,他科との交渉等で大抵の救急医は頭がいっぱいである。また,耐性菌のリスクについても「重症患者のために普段は温存してきたのだ」と言って,広域抗菌薬を無遠慮に投与してしまいがちである。しかし,救急外来でなんとなく投与した広域抗菌薬が,入院後も漠然と継続されることは決して少なくない。28か国のICU患者のデータでは,広域抗菌薬の開始後も63%は変更なく3日以上継続されていた1)。また,72時間以上の広域抗菌薬投与は,有意に耐性菌を増やしてしまうことがわかっている2)。これからは救急医も,抗菌薬を考えなければいけない時代である。改めて,救急外来での奥深い抗菌薬投与について考えてみたい。
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