特集2 ERスタンダード 心不全—「っぽい」の核心をとらえて,しっかり対応する!
【Part 1】「心不全っぽい」を見極めよう
【コラム1】呼吸困難で来ない心不全患者—非典型例に対応するための転ばぬ先の杖
井桁 龍平
1
Ryuhei IGETA
1
1国際医療福祉大学成田病院 救急科
pp.246-249
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200078
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“典型的”な心不全患者と聞くと,どのようなイメージを抱くであろうか。体重増加,下腿浮腫の病歴があり呼吸困難,起坐呼吸などを主訴としてERを受診する患者であれば,誰もが心不全を鑑別上位にして診療するだろう。実際に「呼吸困難」は心不全の主たる症状であり,89%の患者で認めると報告されている1)。しかし,言うまでもなく心不全は全身疾患であるため,呼吸困難以外にさまざまな症状を呈することがあり,時として非典型例を診察することもある。
本稿では,「呼吸困難」以外の症状を訴え,一見して心不全を想起しにくい症状について解説する。
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