グラフ
転ばぬ先の杖 大盛況の転倒予防教室―東京厚生年金病院健康管理センター
八木 保
,
本誌編集室
pp.902-907
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905681
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元気だった人が,転倒による骨折がもとで入院した病院のケア力不足から廃用症候群,やがては寝たきりに—そんな話を身近に聞き,「転ばないように」と切実に願う高齢者は多い.慎重になるあまり,極力出歩かなくなって体力が低下してしまうケースもある.医療者においても,高齢者の転倒がもたらすリスクの大きさはいわれて久しいが,患者自身の体力アップによる積極的な転倒予防の取り組みはこれまでほとんどされてこなかった.
そんななか,東京厚生年金病院健康管理センターでは1997年12月より「転倒予防教室」を開始し,99年3月までもう予約でいっぱい(98年8月末現在)との好評を博している.この教室は,高齢者が転びやすいのは運動能力の低下が最も大きな要因と考え,正しい歩き方の訓練ばかりでなく,体を動かす喜びを知ってもらい,それを家庭でも続けられるような指導を行なう全6回8週間のプログラムからなっている(表).参加者は主に60〜70歳代が中心でなかには90歳近くの方もいる.
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