別冊秋号 透析と麻酔
PART2 透析患者の麻酔管理
15 術中内分泌管理—血糖管理を中心に
斎藤 淳一
1
,
廣田 和美
1
1弘前大学医学部附属病院 麻酔科
pp.113-118
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200365
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周術期の高血糖は術後感染や心血管イベントとの関連も報告されており,透析患者における周術期血糖管理の重要性がうかがえる。そして周術期高血糖は,透析患者に限らずよく遭遇する。非心臓手術患者の20〜40%,血管手術患者の35%,心臓手術患者の80%で発生すると推定されている1)。
手術侵襲は,糖尿病および非糖尿病患者の両方で血糖値を上昇させ,創感染,創傷治癒遅延,肺炎,敗血症,心血管合併症,急性腎障害などの多数の有害事象と関連している1)。血糖値がコントロールされている患者は,高血糖が続く患者と比較すると術後の転帰が改善されることが示されている2)が,血糖管理戦略については依然議論の余地がある。
本稿では,透析患者における糖尿病ならびにストレス高血糖の周術期管理について概説する。
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