別冊春号 2023のシェヘラザードたち
第8夜 これからの麻酔科医に必要な能力!—NORAを実践するための心構えとTips
植田 健一
1
1亀田総合病院 麻酔科
pp.41-46
発行日 2023年4月24日
Published Date 2023/4/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200328
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近年,麻酔科医の数は順調に増加しており,データだけをみると手術室における麻酔科医不足は解消されつつある。そのような状況下で,一部の地方では,人口の減少に伴い手術件数は頭打ちで,手術件数が減少傾向に転じている施設もある。今後この傾向が続くと麻酔科医過剰となり仕事がなくなるのでは,と若き麻酔科医は心配するかもしれない。しかし,それは杞憂であろう。
これからは麻酔科医が手術室を飛び出し麻酔を提供する時代が到来し,麻酔科医の需要はこれまで以上に増すこととなる。それは非手術室麻酔non-operating room anesthesia(NORA)と呼ばれる領域で,内視鏡治療,血管内治療,CTガイド下治療,そしてさまざまな検査に対する鎮静や麻酔を,これまでは主科が行っていたものを,今後は麻酔科医がその役割を担うこととなる。実際,米国では手術室での麻酔件数と同等もしくはそれ以上の件数がNORAである。今夜は,私がアイオワ大学病院で経験したいくつかの“困難”な症例を挙げ,NORAを実践するにあたっての心構えとTipsをお伝えしたい。
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