別冊春号 2021のシェヘラザードたち
第2夜 想定外から想定内へ—PAカテーテルで心臓が釣れた話,ほか
猪股 伸一
1
1筑波大学医学医療系 麻酔蘇生学
pp.7-12
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200192
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医学部5年生の頃,自分の将来構想を発表するという授業があった。すぐに治せるペインクリニックに憧れて,その話をした。あれから30年,やっとペインクリニックに没頭できる環境となり,週に数十人のブロック治療をしたり,高周波熱凝固・パルス療法をしている。これだけの数を経験すれば,何かが起こることもあろうが,幸いにも順調に治癒・軽快する患者が増え続け,ただただ高周波熱凝固・パルス機器の優秀さに感心するばかりである。これでは,話ができない…記憶を巻き戻すことにした。
想定外は,文献・学会・耳学問により,想定内になる(不勉強は多くの想定外を作る)。これが,三十数年の麻酔科診療で得た座右の銘である。そこで,ほんの一部であるが,今夜は三つのエピソードを紹介したい。
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