特集 感染症3
Part 6 感染管理編
21.ホスピタリストが知っておくべきSSI予防策—3つの時間軸で考える
大石 高稔
1
,
安田 英人
1
Takatoshi OISHI
1
,
Hideto YASUDA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 救急科
pp.727-735
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901081
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
手術部位感染surgical site infection(SSI)は手術操作が直接行われた部位に生じる感染である。最も一般的な医療関連感染症の1つであり,その発症は患者の予後や健康関連QOL,医療費に悪影響を及ぼす1)。ホスピタリストとしては,発症後の相談のみではなく,発症予防策について意見を求められることも多いだろう。
SSI予防のためにできることの1つ1つは微力であり,それぞれの効果を実感するのは難しいかもしれないが,エビデンスに基づく予防的介入を組み合わせることにより発症の抑制へとつながっていく2〜4)。したがって,ホスピタリストにはエビデンスが確立している予防策を熟知して実践し,また外科医から相談を受けた際には適切に助言できることが求められる。
本稿では,世界的に参照されているガイドラインや日本で作成されているガイドラインの記載内容のうち,特にエビデンスレベルの高いものを中心に解説する。
Copyright © 2023, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.