特集 ホスピタリストのための画像診断—②脳脊髄編
Part 2 各論(脳血管障害・外傷)
8.頭蓋骨骨折,脳ヘルニア,びまん性軸索損傷—頭部外傷における画像所見のみかた
川口 真矢
1
,
加藤 博基
1
,
松尾 政之
1
Masaya KAWAGUCHI
1
,
Hiroki KATO
1
,
Masayuki MATSUO
1
1岐阜大学医学部 放射線科
pp.473-478
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901050
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頭部外傷において第一選択となるCTは,短時間で撮影でき,頭蓋内出血,骨折,浮腫,脳ヘルニアの診断が可能である。MRIは急性期の頭部外傷に対する有用性は確立されていないが,びまん性軸索損傷や微小出血の検出,神経学的障害の原因が明らかでない患者において有用となることがある1)。
骨折を検出する目的で頭部CTを施行する場合は,頭部条件〔ウィンドウ幅(WW):100,ウィンドウレベル(WL):35〕の観察のみでは不十分であり,骨条件(WW:1,500,WL:300)での観察が必須である。また,頭蓋骨および頭蓋底の骨折を診断する場合,スライス厚を1.25mm以下に設定することが望ましく,通常の水平断像に加え,冠状断や矢状断の再構成画像,三次元(3D)-CTを評価することが有用である1)。
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