特集 脳梗塞
10.COVID-19と脳卒中—過凝固に起因する血栓症が予後を大きく左右する
深尾 絵里
1
Eri FUKAO
1
1公立昭和病院 脳神経内科
pp.325-331
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901028
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2019年12月に中国武漢で報告されたCoronavirus Infectious Disease 2019(COVID-19)感染症は,気道感染に伴う急性呼吸器障害としてクローズアップされ,またたく間に世界的パンデミックを引き起こした。ほどなくして多彩な血栓症の合併が注目されるようになった。同じRNAウイルスであるエボラ出血熱やデング熱といった感染症では,しばしば播種性血管内凝固症候群(DIC*1)といった出血性凝固異常が認められるが,COVID-19では出血症状がみられることは少なく,過凝固に起因する血栓症や多臓器不全が問題となる。静脈血栓としては肺塞栓症が,動脈血栓としては脳梗塞が最も多く,これらが予後を大きく左右することとなる。
COVID-19蔓延下において,合併症としての脳卒中診療もまた,ホスピタリストに求められる場面が十分想定される。
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