連載 着眼大局のススメ
第4回|パンデミック時代の医療システム
西村 義人
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.706-710
発行日 2022年2月24日
Published Date 2022/2/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900958
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に蔓延して早2年が経とうとしています。巷でも指摘されているとおり,このCOVID-19パンデミックは,医療システムが抱える脆弱性を露わにしたといえるでしょう。
日本はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)先進国として,国際保健分野では常に先陣を切っていました。UHCとは「すべての人が,適切な健康増進,予防,治療,機能回復に関するサービスを,支払い可能な費用で受けられる状態」と定義され,日本は国民皆保険制度によって1960年代にはUHCを達成していました。しかし諸外国をみると,「お金がなくて病院に行けない」「医療施設が近くにない」といった状態はいまだありふれた光景で,10億人が医療サービスを受けられていない状況といわれています。
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