連載 臨床倫理を映画で学ぼう!・11
パンデミックが起きたら―『感染列島』
浅井 篤
1
1東北大学大学院医学系研究科
pp.958-959
発行日 2019年11月25日
Published Date 2019/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201367
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作品紹介
今回は『感染列島』(瀬々敬久監督、2009年、日本)を取り上げます。東京都I市の病院に、きわめて毒性と感染性の高い新型インフルエンザウイルスに感染したとみられる男性が救急搬送されてきました。救命救急医の松岡は抗インフルエンザ薬を投与しますが、効果を示さず、男性は高熱と出血、けいれん、そして多臓器不全により死亡してしまいます。このウイルスの感染は、院内のスタッフや患者に広がっていきました。
世界保健機関(WHO)から派遣された医官の小林は、松岡とともにウイルス封じ込め対策と治療を開始します。しかしその甲斐もなく、ウイルス感染は瞬く間に日本中に広がり、感染爆発(パンデミック)を起こしました。世界は、この未知のウイルスを「ブレイム」(神の罰)と呼ぶようになります。日本社会は大混乱に陥り、交通網も物流も麻痺して生活物資が不足しました。
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