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不整脈モニターとは,主に心電計を用い,一定期間継続的に心電図を取得するものであり,①不整脈が関与し得る症状の原因診断,②治療選択の判断材料,あるいは③不整脈に対する治療効果判定,に用いられる。なかでも循環器専門外来以外の一般診療では,①の用途で不整脈モニターの使用が検討されることが多いと思われる。特に原因不明のめまい・眼前暗黒感や失神,動悸,胸痛,呼吸困難といった症状で外来を受診した患者においては,その原因として不整脈を含む心疾患を鑑別することが肝要であり,その評価において不整脈モニターは,経胸壁心エコーとともに重要である。
不整脈モニターは,1947年にHolterが初めて40kg(!)近い携帯型心電計を背負って自転車に乗り,自由行動下における心電図(ambulatory ECG*1)を測定したことを報告したのが最初とされる1)。現在,自由行動下に心電図を測定するモニタリングデバイスは,数10g程度にまで小型化・軽量化が大きく進み,装着者の負担も大きく軽減されている。また,心電計以外の生体センサーを装着し,呼吸数や酸素飽和度(SpO2)を加えた睡眠ポリグラフィのようなもののほか,活動量や皮膚温,さらには血圧やストレス値の測定が可能なものまで登場している。加えて近年では,Apple Watchをはじめとしたスマートウォッチによる不整脈検知が話題となっている。
本稿では,一般外来診療において,特に不整脈が関与し得る症状(動悸,失神,胸痛など)の原因診断を目的に使用される不整脈モニタリングデバイスについて概説する。また,2020年に日本でもクラスⅡの医療機器として承認がなされたApple Watchの不整脈検出機能についても述べる。
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