特集 不整脈1—上室性不整脈
【コラム⑤】Subclinical AFは塞栓症のリスクになるか?—診断とリスク評価,その過去と未来
妹尾 恵太郎
1
Keitaro SENOO
1
1京都府立医科大学 不整脈先進医療学講座
pp.594-598
発行日 2022年2月24日
Published Date 2022/2/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900942
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我々は初めて心房細動(AF)と診断された患者289人の自覚症状を,CCS-SAF*1スケールとEHRA*2スコアで調査したところ,約40%の患者が無症候性であった1)という結果を以前に報告した。AF患者のなかにこれだけ無症候性が多いと,臨床的に未検出なAF(subclinical AF)が,ただ検出されていないだけでまだ世のなかには多く存在することが容易に想像できるだろう。
そこで,植込み型の心電図機器を使えばatrial high rate episode(AHRE)*3を多く感知でき,臨床的には検出されなかったsubclinical AFの診断に結びつけることができると考え,過去には多くの研究がなされた。
本稿では,植込み型心電図機器の過去のさまざまな研究を総括し,AHREやAF burden(1日のうちAFが占める割合など)と血栓症との関連性について考察する。また,ウェアラブルデバイスによるAF検出の将来的な展望についても簡単にふれる。
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