特集 膠原病2
【ミニコラム①】抗セントロメア抗体(ACA)とSjögren症候群—ACA陽性は早期診断のためのヒントとなる
鈴木 康倫
1
Yasunori SUZUKI
1
1金沢大学附属病院 研修医・専門医総合教育センター/リウマチ・膠原病内科
pp.212-220
発行日 2021年7月29日
Published Date 2021/7/29
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900871
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発熱や関節症状などの何らかの臨床状況から「膠原病」を疑ってオーダーした検査において,偶発的に抗核抗体の染色パターンがdiscrete speckled型もしくはセントロメア型であると判明した際は,どのように対応しているだろうか? 全身性強皮症に合致する皮膚硬化があるか否かは,皮膚科医でなくとも比較的容易に判断できる。その次の段階としてはSjögren症候群(SS)を念頭において,自覚的・他覚的乾燥所見の有無を評価してほしい。抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体以外のSSの疾患標識抗体として,抗セントロメア抗体anti-centromere antibody(ACA)が多く報告されているためである。
自己抗体検査をヒントとして病歴・身体所見へ立ち戻り,丁寧に乾燥所見を検索することがSSの早期診断につながる1)。本稿では,抗核抗体のdiscrete speckled型もしくはセントロメア型をみたときに考えること,およびACA陽性SSの臨床的特徴について,過去の報告をまとめる。
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