特集 膠原病2
3.Sjögren症候群:診断・分類基準の変遷と病態の理解—腺外症状を決して見逃さない
浅島 弘充
1
Hiromitsu ASASHIMA
1
1Yale School of Medicine, Department of Immunobiology/Neurology
pp.31-45
発行日 2021年7月29日
Published Date 2021/7/29
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900860
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Sjögren症候群(SS)は,慢性唾液腺炎や乾燥性角結膜炎などの外分泌腺のリンパ球性炎症を特徴とする自己免疫疾患である1)。2010年の厚生労働省の患者調査報告によれば,日本の推定患者数は約66,000人,有病率は0.05%と推定されているが2),海外では1%前後3)と高い有病率が報告されており,日常臨床で遭遇する可能性を常に念頭におくべき疾患である。日本における男女比は1:17.42)と,圧倒的に女性に多い。
前向きコホート研究によれば,5年および10年の生存率はそれぞれ96.6%,92.8%4)と報告され,SSは一般に予後良好な疾患と考えられている。しかし,神経障害や血管炎などの積極的な治療介入を必要とする全身合併症を呈することや,悪性リンパ腫の発症リスクが極めて高いことなどから,「全身性の自己免疫疾患であり,腺外症状を決して見逃さない」ようにアプローチすることが重要である。
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