連載 根拠のない習慣
第5回|神経学的異常所見のない失神に対して頭部CT検査は必要か?
中島 悠貴
1
1独立行政法人国立病院機構 埼玉病院 消化器内科
pp.580-582
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900820
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症例
64歳の女性。脳疾患,心疾患の既往はなく,高血圧,糖尿病に対して薬物治療を行っている。本日椅子に座って夕食を食べていた際に,誘因なく反応がなくなった。家族が床に横たわらせて1分程度で,頭痛やけいれん,麻痺などの症状なく意識は完全に回復した。意識を失うことは初めてであり,不安に思った家族が救急要請した。
救急外来にて,低血糖や血圧異常は認められず,心雑音は聴取されなかったほか心電図では明らかな不整脈は認められなかった。このような症例ではさらに頭部CTを施行すべきだろうか?
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