特集 総合内科のための集中治療
Part 2:システムごとに診る
【コラム①】低酸素脳症—ミクロな視点とマクロな視点で,脳の酸素需給バランスを考える
江川 悟史
1
Satoshi EGAWA
1
1TMGあさか医療センター 神経集中治療部
pp.234-245
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900668
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低酸素脳症〔低(無)酸素・虚血性脳症〕とは,循環不全や呼吸不全などが原因となり,脳への十分な酸素供給が障害された病態を意味する。低酸素性虚血性脳症hypoxic-ischemic encephalopathyともよばれる。組織への血流量の低下,つまり「虚血」を意味する場合と,血液の酸素運搬能の低下,つまり「低酸素血症」を意味する場合の2つの病態が混在することが多い。心停止,各種ショック,窒息などが原因となる。
本稿では,成人の低酸素脳症の発症機序,その後の管理について,最新の知見を交えて解説する。
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