今月の主題 心不全へのアプローチ
Editorial:心不全治療の新しい展開
篠山 重威
1
1富山医科薬科大学・第2内科
pp.1314-1318
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900985
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心不全は,古典的には血行動態的見地から後方負荷不全(静脈系のリザーヴァーの機能不全)と前方不全(動脈系への血流の駆出障害)という2点から解析されてきたが,臨床的な経過からは,心不全は心機能障害が,1)運動耐容能の低下,2)不整脈,および3)生存率の低下を伴う場合を意味するとする考えが提唱されている1).したがって,この概念に基づくと,心不全治療の目標は,初期の血行動態的な改善だけでなく,1)症状の改善と生活の質の向上,2)生命の延長という2点に限られることになる.
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