特集 糖尿病
合併症
16.⑦注意すべきその他の合併症—歯周病・骨折・認知症・癌と糖尿病
遠藤 慶太
1
,
鈴木 利彦
2
Keita ENDO
1
,
Toshihiko SUZUKI
2
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
2東京ベイ・浦安市川医療センター 腎臓・内分泌・糖尿病内科
pp.491-495
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900567
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Q1 糖尿病と歯周病(歯科領域の感染)の関連は?
そもそも歯周病periodontal diseaseとは,「歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患であり,歯肉,セメント質,歯根膜および歯槽骨よりなる歯周組織に起こる疾患」1)と定義されている。要するに,歯と歯茎の間にある溝(歯周ポケット)(図1)に溜まった細菌の塊(デンタルプラーク)が原因で起こる炎症のことである。歯周病は大きく分けて,歯槽骨への炎症を起こす歯周炎と,起こさない歯肉病変の2つに大別される。
日本における歯周病の有病率は,「歯周ポケットを有する人の割合」で評価すると,35〜44歳で25%,45〜54歳で30%,55〜64歳で50%と,加齢により増加し,75歳以上では62%まで増加する2)。
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