特集 糖尿病
自己管理教育と療養支援
8.患者教育—効果的な教育入院を実施するために
中村 俊介
1
,
岩岡 秀明
1
Shunsuke NAKAMURA
1
,
Hideaki IWAOKA
1
1船橋市立医療センター 代謝内科
pp.389-394
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900550
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Q1 患者教育の重要性とは?教育入院とは?
糖尿病は長期間にわたって患者自身が生活習慣などの自己管理を行う必要があり,患者教育は必須である。日本糖尿病学会は「チーム医療による糖尿病教育は糖尿病治療の根幹」であり,「すべての糖尿病患者が診断時に,また,治療の経過中に,糖尿病に関する知識を広く学んでいくことは,糖尿病治療の基本を成す」1)としている。また,米国糖尿病学会(ADA*1)も,糖尿病治療における患者教育と支援の重要性を強調している2)。
糖尿病の治療に必要な知識・技術を患者に過不足なく提供し,円滑な療養生活を支援することが患者教育である。教育の内容は多岐にわたり,①糖尿病の診断および病態生理,②糖尿病合併症と合併症の予防や進展阻止に必要なコントロール目標,③食事療法,④運動療法,⑤薬物療法,⑥自己注射手技,⑦血糖自己測定,⑧低血糖やシックデイへの対処法,⑨フットケアの知識,⑩日常生活における注意点,などがある。
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