特集 腎疾患2
【急性腎障害(AKI)】
4.薬物と腎疾患—我々臨床家にとって避けることのできない切実な問題
龍華 章裕
1
Akihiro RYUGE
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座 腎臓内科学
pp.125-149
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900515
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近年,急性腎障害(AKI)や慢性腎不全(CKD)の罹患に伴い,死亡率が上昇することが大規模疫学研究で次々と明らかにされてきている1〜4)。それら腎障害の一端を担うのが本稿で扱う「薬物」5)であり,薬物使用とそれに起因する腎障害は切っても切り離すことができない関係にある。その重要性にもかかわらず,特定の薬剤性腎障害に対してどのように介入すべきか,無作為化比較試験(RCT)が現実的でないことから,症例報告やケースシリーズをもとにエキスパートたちが方針を提案するにとどまっているのが現状である*1。
本稿では,薬物による腎障害を包括的に扱いつつ,基礎的な病態生理や近年話題となっているトピックスにも注目していく*2。
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