特集 ホスピタリスト宣言
【Healthcare Systems各論】
7.EBM能力—②日常で遭遇するclinical questionの体系化:clinical question map
石丸 直人
1
Naoto ISHIMARU
1
1明石医療センター 内科
pp.102-104
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900462
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■自らの“clinical question”を体系的に認識する
我々は,日々臨床に関するさまざまな疑問をいだきながら日常診療に携わっている。65歳の男性が市中肺炎で外来受診したとしよう。抗菌薬を何日投与すればよいか,そのためのよい指標はないか,安全にできるだけ早く抗菌薬を中止したいのだが…。このような疑問をいだいたときに,臨床医は検索方法を駆使して,報告されている論文を探し,批判的吟味を行い,科学的妥当性の検討を行い,自分の患者にあった最善のエビデンスを提供する。このための一歩として,“clinical question”にうまく落とし込まずにいると,疑問がそのままになってしまうことがある。そこで,自分の“clinical question”を体系的に認識する方法を紹介する。
clinical questionを整理する方法としてPICOがあるが,PICOにclinical questionが当てはまるものは,介入や要因が明確なものであり,PICOに落とし込めないclinical questionもある。そのような場合でも,臨床現場での疑問が,clinical question map1)(図1)のうちどれに該当するのかを構造化しておくことで,clinical questionを整理することができる。
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