特集 失神診療をきわめる
知っておきたい対処法
②失神に遭遇した時
小尾口 邦彦
1
1大津市民病院救急診療科
キーワード:
意識消失
,
心肺停止
,
心肺蘇生
,
早期除細動
,
AED(自動体外式除細動器)
Keyword:
意識消失
,
心肺停止
,
心肺蘇生
,
早期除細動
,
AED(自動体外式除細動器)
pp.322-324
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100321
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医療現場において失神に遭遇することは珍しくない.血管迷走神経反射によるものが多く,大半は時間経過により回復する.しかしながら,「ただの失神だと思っていた」ものに重篤な疾患が隠れていたり,心肺停止であることがある.また救急搬入された心肺停止患者においても,家族が「失神だと思っていた」ため救急隊が到着するまで何ら処置が行われていないケースに,残念ながらしばしば遭遇する.心停止後,数分以内に蘇生を行わないと脳において不可逆的な変化が起こる.このように心血管系失神は予後が悪いので積極的に疑わなければならない.
失神は一般的には「突然かつ短い意識の喪失で,自然に回復する」ものであるが,本稿では広い意味でとらえ意識消失している時に遭遇した場合とし,上記のような悲劇を防ぐために,あくまで先入観に頼ることなくABCの順に系統的に患者評価をし,貴重な時間をロスすることなく必要な救命処置を行えるよう整理したい.
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