特集 循環器疾患1
4.安定虚血性心疾患の治療:薬物療法—心血管イベント予防と抗狭心症治療を分けて理解しよう!
川上 将司
1
Shoji KAWAKAMI
1
1国立循環器病研究センター病院 心臓血管内科部門 冠疾患科
pp.627-638
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900220
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心筋虚血は心筋酸素需要と供給のミスマッチによって引き起こされる。安定虚血性心疾患で生じる心筋虚血では,一般的には運動や情動,感染や貧血など,心臓への負荷となる誘発因子によって心筋仕事量が増大し,虚血は再現性をもって誘発され,多くは可逆性である。
本稿では,急性冠症候群(ACS)と明確に区別される安定虚血性心疾患(SIHD)の疾患概念を明確にし,欧米のガイドラインを参考にして「guideline-directed medical therapy」を中心とした薬物療法,食事・運動療法を含む生活習慣改善について述べる。SIHDの治療については「心血管イベント予防」と「抗狭心症治療」の2つに分けて理解することが重要であり,主治医がガイドラインに基づいた治療を患者ごとに適切に選択し,提供できることを目標とする。
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