特集 代謝内分泌
8.副腎不全症—一度はその可能性を疑うべき内分泌疾患の代表
柳瀬 敏彦
1
,
田邉 真紀人
1
Toshihiko YANASE
1
,
Makito TANABE
1
1福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科
pp.91-97
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900134
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副腎不全症は,全身倦怠感,食欲低下,消化器症状(嘔吐,腹痛,便秘など),体重減少,低血圧,発熱,関節痛などを伴うが,自他覚症状や所見の特異性に比較的乏しい。そのため,初診患者では,疑わないと診断に至らない場合も少なくない1)。慢性的な疲労感を長期に訴える場合には,スクリーニング検査としての血中コルチゾールの測定を行う機会は比較的多いと考えられるが,潜在性副腎不全症では,消化器症状だけが前面に出ているような症例もあり,消化器系検査が優先されている場合もある1)。種々の不定愁訴の原因精査の結果,該当疾患が見当たらない場合には,甲状腺機能異常症と並んで,一度はその可能性を疑うべき内分泌疾患の代表といえる。
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