特集 感染症2
②IDコントロール
2.多剤耐性菌—最新の疫学から治療のコンセプトまで
原田 壮平
1
Sohei HARADA
1
1がん研有明病院 感染症科
pp.457-468
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900005
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医療機関における多剤耐性菌の拡散は以前から問題視されていたが,2000年代以降,それまで主な問題であった多剤耐性グラム陽性球菌に加えて,多剤耐性グラム陰性桿菌の拡散も世界的に進行した。一方で,新規抗菌薬の開発は停滞しており,グラム陰性桿菌をターゲットとした新系統の薬物は1980年代以降開発されていない1)。このような状況から,多剤耐性菌は世界的にみて主要な健康問題であると認識されるに至り,2016年の国連総会では,耐性菌問題に関する閣僚級会合がもたれた2)。
本稿では,実臨床で問題となることが多い多剤耐性菌,あるいは検出頻度は低いが重要性が高い多剤耐性菌の疫学,耐性機序,治療などについて概説する。
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