特集 どうする? PCAS
発作定義を満たしていない脳波異常に抗発作薬を投与するvs.しない
❼ Pro:投与する—背景活動に注目して治療を考慮する
鈴木 秀鷹
1
Hidetaka SUZUKI
1
1武蔵野赤十字病院 救命救急センター
キーワード:
highly malignant EEG
,
律動的周期的波形
,
RPPs
,
発作-発作間欠期連続体
,
ictal-interictal continuum
,
IIC
Keyword:
highly malignant EEG
,
律動的周期的波形
,
RPPs
,
発作-発作間欠期連続体
,
ictal-interictal continuum
,
IIC
pp.567-571
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201216
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はじめに
心停止後症候群post-cardiac arrest syndrome(PCAS)では,Draganceaら1)は,127例の蘇生後脳症の患者において,41例(32%)に脳波上てんかん重積状態electrographic status epilepticus(ESE)を認めた。それらのうち37例(90%)はCPC(Cerebral Performance Category)5で神経学的転帰が不良だったが,3例(7%)はCPC 1ないし2であったと報告している。当然のことながら,発作は神経学的予後に影響を与えるため,近年のScientific Statement2)では治療が推奨されている。一方で,発作基準を満たさない脳波異常も少なくない頻度で遭遇する。
そこで本稿では,発作の定義を満たさないが明らかな脳波異常を有する症例に対して,抗発作薬antiseizure medication(ASM)を使用するという立場でまとめる。
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