特集 どうする? PCAS
うちの体温管理はこうやっています
【コラム】開始24時間は36℃,その後の72時間も引き続き36℃—目標体温維持困難例では上昇も許容
渡邊 和貴
1
,
稲田 崇志
1
Kazuki WATANABE
1
,
Takashi INADA
1
1練馬光が丘病院 救急総合診療科 集中治療部門
pp.564-566
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201215
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はじめに
体温管理療法targeted temperature management(TTM)*1に関する今までの研究では,バイスタンダーCPR*2の割合,自己心拍再開return of spontaneous circulation(ROSC)までの時間,体温調節開始から目標体温達成までの時間などに違いがあり,研究によって死亡率にも大きな差がある。
重症度の違いなどにより,32〜34℃の低体温療法が予後を改善させ得る患者群が存在する可能性は否定されていないが,現段階では明らかにはなっていない。同様に蘇生直後から,いわゆる平温療法(37.7℃以下での維持)をすべての症例に適応させてよいかについても明確な答えはまだ存在しない。
そのため練馬光が丘病院 救急総合診療科集中治療部門(以下,当院)では,主にTTM trial1)とTTM2 trial2)を参考に体温管理を実施している。TTM開始後24時間は一律36℃で維持し,24〜72時間は引き続き36℃を目標体温とするが,維持が困難な症例においては,37.7℃を上限として0.5℃ずつ目標体温の上昇を許容して継続し,72時間経過後は高体温回避に努めている。
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