連載
え? 知らないの?心臓外科手術の術野デバイス 後編(脱血カニューレ)
後藤 武
1
,
森實 雅司
2
1弘前大学医学部附属病院 臨床工学部
2済生会横浜市東部病院 臨床工学部
pp.602-606
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200896
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体外循環の回路は,脱血カニューレを静脈に挿入し,静脈血は重力や陰圧により人工心肺の貯血槽である静脈リザーバーに入り,心臓の役割を果たす遠心ポンプなどの血液ポンプにより拍出され,人工肺により動脈血化されて,送血カニューレから動脈内へ戻るという構成である(図1)。脱血カニューレはポリ塩化ビニルで形成され,先端孔の開いたエンドホールタイプや,側孔の開いたサイドホールタイプなど,さまざまな形状のカニューレが存在する(図2)。脱血カニューレは体外循環回路のはじまりでもあり,安定した脱血流量が得られないことには送血流量を確保できず,安全な体外循環は不可能である。本稿では,脱血カニューレの研究から,心臓外科手術中の体外循環,ECMO臨床における注意点,吸引デバイスについて紹介したい。
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