特集 ICUエコー
Part 1 総論
1.超音波検査法の基礎—原理,モード,走査方式,アーチファクト
紺野 啓
1
Kei KONNO
1
1自治医科大学 臨床検査医学
pp.3-8
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200344
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超音波検査は,侵襲のない安全な画像診断法として一般臨床に定着して久しいが,救急集中治療分野におけるPoint-of-Care Ultrasonography (POCUS)の導入を含めた近年の適応拡大には目覚ましいものがある。本法の最大の利点は安全であることに加え,誰もが自ら検査を行うことで,その場でリアルタイムに他の画像診断法に匹敵する診療情報が得られることである。しかし後者の特性は検者の力量に大きく依存するため,場合によっては最大の欠点ともなり得る。なかでも本法の原理や装置の適切な操作,画像の解釈にかかわる基礎的知識は検査の成否を大きく左右しやすい。
本稿では,POCUS領域において,検者が知っておくべきこれらの知識について概説する。なお,これらの知識と密接な関連をもつ超音波診断装置の適切な操作についての解説は他稿*1に譲る。
Summary
●超音波の反射を用いて生体内の各種情報を得るのが超音波検査である。
●基本はBモードだがほかにも種々の手法があり,目的に応じて使い分ける。
●超音波検査は超音波の特性を理解し,装置の特徴と調節法を把握して行う。
●超音波画像にとって不可避の存在であるアーチファクトは,出現パターンと成因を理解して正しく見極め,組織性状の推測に有効活用する。
●超音波検査は安全性に最大限の注意を払い,ALARAの原則に則って行う。
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