- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本邦でも植込型左室補助人工心臓left ventricular assist device(LVAD)の普及に伴い,これまで450例以上の重症心不全患者がLVAD植込み術を施行されてきた。現在のところ,植込型補助人工心臓ventricular assist device(VAD)の適応は,心臓移植適応を有することが条件となっているが,今後は,destination therapyへと適応拡大が行われる可能性がある。植込みにあたっては,現在,本邦で使用可能な4種類のVADから,患者の体格などを考慮して選択する。術後合併症は,感染症,神経機能障害,装置の不具合,大量出血など,多岐にわたるため,その予防と治療戦略を熟知することが重要である。術後管理にあたっては,医師のみでなく,看護師,臨床工学技士,薬剤師,理学療法士,家族など,チーム医療の重要性が高い医療であるといえる。
Summary
●本邦でも植込型左室補助人工心臓(LVAD)の普及に伴い,これまで450例以上の重症心不全患者がLVAD植込み術を施行されてきた
●補助人工心臓(VAD)適応の判定にあたっては,INTERMACS profileが広く使用されている。また,LVADの適応は,「植込型補助人工心臓」実施基準(2010年11月16日案)が拠り所とされる。
●現在,植込型VADの適応は心臓移植適応を有することが条件となっているが,今後は,destination therapyへと適応拡大が行われる可能性がある。
●VAD植込み後の合併症は,多岐にわたる。また,J-MACS Statistical Reportによると,VAD装着期間が長くなるほど,合併症回避率は低下しており,心臓移植待機期間の長い日本では,合併症の防止とともに,合併症発生時の対応方法に関する検討が必要となる。
Copyright © 2015, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.