特集 心臓血管外科 前編
術式別に学ぶ心臓血管手術:胸部大動脈疾患
4.ステントグラフト内挿術
吉武 明弘
1
Akihiro YOSHITAKE
1
1慶應義塾大学病院 心臓血管外科
pp.825-832
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200224
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本稿では,胸部大動脈瘤・解離に対するTEVAR(thoracic endovascular aortic repair)の適応,術式および特有の合併症と術後管理について述べる。
Summary
●TEVARの適応は,真性瘤では開胸手術と同様で,瘤径50mm以上で手術を考慮,瘤径60mm以上で絶対適応である。
●大動脈解離に対するTEVARの適応は近年拡大しており,解離のエントリー閉鎖が主体である。
●TEVARで問題となるのは,ステントグラフトで閉塞される分枝にいかに血流を維持させるかである。debranching TEVARやChimney法,fenestration法,あるいは開胸手術と組み合わせたstaged TEVARなどがある。
●TEVARの特有の合併症には,エンドリーク,ステントグラフトの移動や逆行性A型解離などがあり,厳重なフォローアップが必要である。
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