Japanese
English
特集 低侵襲心臓外科手術
ステントグラフト内挿術
Transluminal Endovascular Stent-Graft Placement
小田代 敬太
1
,
小村 泰雄
1
,
延吉 正清
1
,
木村 剛
2
,
井上 寛治
3
Keita Odashiro
1
,
Yasuo Komura
1
,
Masakiyo Nobuyoshi
1
,
Takeshi Kimura
2
,
Kanji Inoue
3
1小倉記念病院循環器科
2京都大学大学院医学研究科循環器内科学
3康生会武田病院心臓血管外科
1Department of Cardiology, Kokura Memorial Hospital
2Department of Cardiovascular Medicine, Kyoto University Graduate School of Medicine
3Department of Cardiovascular Surgery, Takeda Hospital
pp.263-269
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100268
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はじめに
従来,外科的人工血管置換術でのみ根治治療しえた大動脈瘤や大動脈解離に対し,低侵襲治療としての血管内治療(ステントグラフト内挿術)が注目されている.胸部大動脈瘤の外科的治療は完全ないし部分体外循環を要し手術侵襲は大きく,また,外科手術が確立されている腹部大動脈瘤においても心臓,肺,腎臓などに合併症を有する症例や高齢者では手術リスクは高い.ステントグラフト内挿術は,従来の外科的治療と比較して出血量が少なく,集中治療室入室期間・入院期間が短く,外科的治療のハイリスク群に対しては特に有用な低侵襲の治療と考えられている.
今回,ステントグラフト内挿術の歴史的背景,当院での井上式ステントグラフトを用いた治療について報告するとともに,今後の展望について述べる.
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