特集 神経集中治療
【コラム】脳圧管理における浸透圧利尿―ガイドラインでの推奨と使用薬物の特性
欅 篤
1
Atsushi KEYAKI
1
1社会医療法人愛仁会 高槻病院
pp.560-563
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100559
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頭蓋内圧モニタリングの意義
ガイドラインでの記載
米国の重症頭部外傷治療ガイドライン20071)では,①蘇生後のGlasgow Coma Scale(GCS)3~8,②CTで血腫や脳挫傷,脳腫脹,脳ヘルニア,脳底槽の圧排などの異常を呈する患者において,頭蓋内圧(ICP)モニタリングが推奨されている(レベルⅡ)*1。本邦のガイドライン2)では,上記2項目に加えて,“収縮期血圧90mmHg以下の低血圧”も,ICPモニタリングを推奨する要件として記載されている。また,脳灌流圧(CPP)50~70mmHgを目安に平均動脈圧とICPを管理することが推奨されている2)が,2007年に改訂された米国ガイドライン1)では,CPPの最低値が60mmHgから50mmHgに下げられた。輸液や昇圧薬を用いてCPPを70mmHg以上にすることは,急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発症率を上昇させるので避けるべきとされている3)。
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