連載 ICUフェローからのメッセージ
第17回:アジアオーストラレーシア3国での医療体験
高木 俊介
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1Prince of Wales Hospital Intensive Care Medicine/横浜市立大学附属病院 集中治療室
pp.868-872
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100488
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横浜市立大学麻酔科医局に入って6年がたった頃,突然のチャンスが訪れました。入局時に「いつか留学させてやる」と言っていた恩師が,留学先を紹介してくれたのです。選択肢はマレーシア,オーストラリア,香港の3か国。医療行為が可能である,生活コストが安い,医療水準が未知数であるという好奇心,これらすべてを総合して私はマレーシア留学を決断しました。そして,2010年6月~2011年6月の約1年間,首都クアラルンプールにある国立循環器センターInstitut Jantung Negara(IJN)の臨床フェローとして働きました。その1年間は,とにかく「心臓麻酔漬け」の日々でした*1。IJNは1日15~20症例,年間3500例の心臓麻酔が行われているマンモス病院で,フェローは毎日2~3症例を担当します。当直の日などは3人でICU,CCU,HCU,院内急変の対応をするので,とにかく過酷な研修でした。しかし,常夏の国マレーシアで旅行では得られない貴重な経験ができました。
今回は,この留学をきっかけに,その後オーストラリアへ留学した経験を記します。
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