特集 急性心不全
6.急性心不全におけるバイオマーカー―(1)BNPの役割と限界,BNPは身体所見や心エコーを凌駕するか?
上月 周
1
Amane KOZUKI
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座 循環器内科学分野
pp.701-708
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100344
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とある単科病院での出来事。
慢性疾患にて長期入院中の70代の男性に両側の下腿浮腫が出現した。そこで,主治医が総合病院の内科を受診させたところ,診察と採血のみにて「BNPが400pg/mLと軽度の心機能低下を認め,心不全による下腿浮腫と考えられるので,ラシックスⓇを処方してください」との返事。ラシックスを処方したところ,浮腫は見事に改善した。
BNPとは測定するだけで心機能や浮腫の原因まで教えてくれる万能なバイオマーカーなのだろうか。本稿では,ときに誤解・誤用されるBNPの急性心不全における役割について概説する。
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