連載 ICUフェローからのメッセージ
第6回:日本の集中治療の未来を描いてみよう:COMPACCS を読み解く
永松 聡一郎
1
1University of Minnesota 呼吸器内科・集中治療内科
pp.224-230
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100280
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日本の医療は転機を迎えており,医療崩壊という名前が聞かれて久しい。産婦人科や小児科の医師の不足が顕然化しているなか,医学生が訴訟のリスクの高い専門分野を避けるようになった*1。では,日本における集中治療医学はどういった状況になっているのであろう。世界で最も進んだ高齢化社会のなかで,私たちは,今後とも集中治療を質と量ともに十分に提供することができるのであろうか。そこで,日本における集中治療の将来構想について,読者のみなさんと一緒に考えてみたい。
まず,議論の材料として,米国の集中治療医療に大きな影響を与えたCOMPACCS(コンパックス)プロジェクトの解説から始めよう。
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