特集 不整脈
5.心室性不整脈の管理
(3)集中治療における治療抵抗性心室性不整脈
里見 和浩
1
Kazuhiro SATOMI
1
1国立循環器病センター 内科心臓部門
pp.815-823
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100124
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心室性頻拍性不整脈〔心室頻拍(VT)/心室細動(VF)〕はしばしば致死的であり,電気ショックや薬物治療に抵抗性の心室性不整脈の予後は極めて不良である。集中治療における心室性不整脈は急性冠症候群acute coronary syndrome(ACS),開心術,心不全などの治療目的で入院中の患者に心室頻拍/心室細動が発症する場合と,そもそも心室頻拍/心室細動のコントロールのため入院となる場合がある。
心室頻拍/心室細動をきたす要因は表1の通りであり,その予防のためには,第一に「できうるかぎりその要因を排除すること」である。集中治療室に入室している患者は,複雑な病態を合併し,かつ病状も重篤であることから心室頻拍/心室細動の要因をすでに持っている可能性があるといってもよい。さらに心機能低下,腎機能低下,肝機能低下は,抗不整脈薬の陰性変力作用,催不整脈作用を増強させる可能性もあり,薬物の使用方法に細心の注意を払う必要がある。
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