特集 不整脈
5.心室性不整脈の管理
【コラム】wide QRS頻拍症の診断のTips―上室性頻拍と心室頻拍/心室細動の鑑別を中心に
香坂 俊
1
Shun KOHSAKA
1
1慶應義塾大学医学部 循環器内科
pp.812-814
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100123
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■実践的な“単純虚血ルール”
wide QRS頻拍症の診断のコツであるが,筆者が聞いたなかで一番簡単で,なおかつ現実の集中治療診療の場で精度が高いものといえば,
「虚血性心疾患が絡んでいればすべて心室頻拍(VT)と思って対応しろ」
というものである。この単純虚血ルールは,器質的心疾患を持つ症例でwide QRSの上室性頻拍supraventricular tachycardia(SVT)と比較して心室頻拍/心室細動を見逃すリスクはあまりに大きいという考え方によるもので,虚血性心疾患の多い欧米諸国では広く用いられている法則である。
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